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エクス・マキナ ネット全盛の今こそ観るべきSF映画(前篇)

エクス・マキナ



こんにちは。今日はアカデミー賞で視覚効果賞を受賞、脚本賞にもノミネートされた『エクス・マキナ』を紹介したいと思います。


めっちゃどうでもいい前置きですが、僕は先週左太もも裏(ハムストリング)を肉離れしました(T_T)

去年からマラソンをはじめまして今年は飛躍の2年目にするぜ!と息巻いて練習しているわけですが、ちょっとやりすぎましたねえ・・・今は受傷後1週間たって落ち着いてきたのでエアロバイクをのんびりこいでリハビリしているところです・・・

そんな中で本作『エクス・マキナ』を観てきたわけですが、めっちゃ好みでしたー!


予告編


好み度:90点


感想:かなり今時っぽいAIの誕生。内容はむしろ文学的で社会学的で、そして心理学的


※核心ネタバレなし

~ざっくり導入のあらすじ~
大手検索エンジン会社のブルーブックで働く26歳のケイレブ(ドーナル・グリーソン)は社内抽選で見事当選し社長・ネイサン(オスカー・アイザック)の別荘訪問の権利を獲得。ウキウキで自然豊かな別荘に訪れると、そこで彼を待っていたのは社長と助手?のキョウコ(ソノヤ・ミズノ)とそしてAIのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)だった。ネイサンはケイレブにエヴァの実用可能かテストに協力を依頼する。


~好きなポイント~

①純粋にストーリーが面白い

まず今作は登場人物が基本的に4人しか登場しません。あらすじであげた4人だけ。しかも社長の別荘という一見広大そうな土地なのに、よく出てくる部屋も片手で数えられる程度。携帯電話もろくに通じないような僻地が舞台でもあるので、ある意味密室モノとも言えます。

どう見てもネイサンはマッドサイエンティストみたいで胡散臭いし、助手のキョウコは明らかに不気味だし、美しきAIは賢くて現状に不満そうだし、ケイレブは見るからに平凡で優しそうだし…ってこれだけ見るとSFもののテンプレートのような人物4人、しかも密室が舞台。じゃあ起きることは単純明快では?


しかし今回はその舞台の狭さや登場人物の少なさ、テンプレ具合とは裏腹に不気味さや疑心暗鬼がどこまでも広がっていくような、非常にミステリアスな雰囲気とホラー映画のような緊張感が絶えず待っている、そんな作品になっています。

まーたSFテンプレのAIが心もっちゃってやっぱAI怖いわ―って量産型SF映画なんでしょ?

と思っているあなた。だまされたと思って観てください(笑)。

まあ確かに終わり方はややスッキリしない部分もあり、少々乱暴な展開も散見されますし、基本的に「AIは人間の脅威になるかも?」的なお話であるのはお察しの通りですが、かなり現代的でまさに今こそ考えるべきというより考えたくなるようなテーマが詰まった作品となっております。そのあたり次項から見ていきましょう。

感想の部分で「文学的」「社会学的」「心理学的」の3つをあげましたが、一つ一つ分解して考えてみます。


②「文学的」な作品?
まず本作は「AI=人工知能」を取り扱った文字通りSF映画ですが、実際にはかなり文系よりな内容だと個人的には感じました。文系というと幅広いので、もっと言えば「人文科学的」ともいうべきでしょうか。

本作は基本的にネイサンがケイレブにエヴァとのセッション(といっても会話するだけ)を依頼し、ケイレブとエヴァの会話をネイサンが別室でモニター越しに観察→試験後夕食をとりながらとか酒を飲みながら試験の感想などをディスカッションするという流れが何セッションか続く構成となっています(もちろんその間に色々とプチ事件が起きるのですが…)。

『エクス・マキナ』は本当にいろんな見方ができる映画で、それらが絡み合って重なり合って観る人によって感じるポイントが違うような化学反応を引き起こしています。その一つとして「愛」の物語ともとれるし、AIとのセッションを通して「感情」を考察する物語でもあります。そして「自分=人間」を発見する物語でもあります。

例えばケイレブも最初は「このAI本当に思考能力なんてあんのか?テストしたろ!」的な、やや「上から」目線で試験に臨むわけですが、エヴァとのセッションを繰り返すうちに「愛情」「同情」「喜び」「悲しみ」いろんな感情が芽生えていくわけです。エヴァ=人工知能を試験しているつもりがいつの間に自分=人間自身を試験していくことになるのです。

面白いのは何回目かのセッションでエヴァが「会話が一方的すぎるんだけど!私に質問ばっかしてないでさー、ケイレブ君のこともちゃんと教えてよ!」と言われることですね。試験内容が「質問」から「会話」に代わるわけです。

そしてその自分自身(=人間)の試験を経た結果、ケイレブが下すある選択とエヴァの答え、その結末はまさに「人間的」で一筋縄ではいきません。この「自分自身=人間との出会い」「人間」故の結末がかなり面白かったと思います。

ぞうそう、AIと人間の交流だと近年『her 世界で一つの彼女』という映画がありましたが、青の映画との決定的な違いは「身体があるか否か」ですよね。

予告編



ネタバレになるので詳述しないですが、今作のエヴァと『her』のサマンサが最後に取る選択って似て非なる、いや全然違うものなんですが、それはまさに「身体を有しているか否か」だと思う次第です。つまり「人間(ヒト?)』になるか『観念(エクス・マキナ風に言うと四角い箱)』になるか?


一方で両者の共通点として人間とAIの「愛」について一石を投じていること、そしてAIが「女性」であることかな?と思います。

『エクス・マキナ』でもケイレブがネイサンに「どうしてエヴァを人間に、もっと言えばなぜ女性にしたの?」と尋ねる場面があるのですが、これについても考えれば考えるほど面白い議題になっていきそうです。

最近はそんなこともないのでしょうけど、一時期恋愛シミュレーションゲームが流行った?時も基本的には「かわいい女の子と恋愛する」がスタートでしたっけね。大学生の時なぜか彼氏持ちの女友達が「ラブプラス」にどハマリもしていましたが…


もう一つ、個人的に好きなAIとの交流を描いた作品を紹介させてください。それは『イヴの時間』というアニメです。

予告編



『イヴの時間』は日本の近未来ですでにAIが実用化され「家電」として流通している設定です。もう人間にしか見えないくらい精巧なアンドロイドたちが普通に街を闊歩しているのです。

公式サイトにも書いてあるようにアンドロイドが人間に反抗するとか、脅威をもたらすといったハードSFではなく、淡々と日常生活が描かれるほのぼの系。この世界観では基本的にアンドロイドは「家電=道具」なので、人間サイドとしては彼らの意識とか思考は別にどうだって良くて、むしろアンドロイドに肩入れしすぎる若者は「ドリ系」といって危惧されちゃうくらい。

先ほどのエヴァが「ケイレブのことも話せ!」とも通じる内容がこのアニメでも描かれていて、AIサイドが人間たちをどう「思う」のか?この辺りがとても繊細に描かれていてやっぱり「文学的」なアニメとも言えます。

何をもって文学的なんだよ?という質問は今更ですが難しいのでお茶を濁すとして(笑)、『エクス・マキナ』はAI側が人間をどう思うのか?そして「身体」を持っているAIが自分をどう認識するのか?この辺りが大変面白いし人工知能を考えるうえでとてもとても興味深いのではないでしょうか。


余談ですが、日本の人工知能研究の第一人者の石黒浩先生の本は面白いのばかりなのでおすすめです。
『アンドロイドは人間になれるか』(文春新書)
『ロボットは涙を流すか』(PHP)



めちゃ長くなってしまったので「社会学」「心理学」は次回に持ち越したいと思います(笑)。

一応、大学~大学院(修士)まで社会学専攻していたので、面白い本も紹介しながら感想をだらだら書こうと思ってます。
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