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『この世界の片隅に』感想、今年最大の衝撃

こんばんは。久しぶりのブログ更新ですが、またまたアニメ映画の感想です。


○どーでもいい前置き(飛ばしてくださいw)
言い訳なんですけど、こないだ「Fire TV 」を購入しちゃいまして、これが予想以上に動画視聴が捗る捗る。

今までも一応プライム会員だったし、Netflixにも加入してはいたんですが、いかんせんPCやスマホで映画やアニメを見るのが個人的にあまり好きでなくて。だから結局はレンタルビデを借りてテレビで見るのがもっぱらだったわけです。

でも何だかCMで見かけるとすごい便利そうだし、一応ネット環境は整ってるし・・・まあ物は試しと思って買ってみたわけです。


いやあすごい。やっぱりTVで観る映画やアニメ、ドラマは素晴らしい。しかもインターフェイスも良くて操作性も特に大きな不満もなく、これまで全く生かせていなかったNetflixのおすすめ機能なんかもリモコンでさくさく検索できるしでもう休日が変わったといっても過言ではないです。

なんだかAmazonの回し者みたいですが(笑)、仕事帰りで夜遅くてもアニメとかドラマ一話くらいなら気軽に観れちゃうし、休日はゆっくり映画も見れるし、おまけにプライム動画とNetflix合わせれば結構見たい映画やアニメがあるんですよね。ここ2ヶ月くらいはめっきるレンタルビデオ屋さんにも行かなくなってしまいました・・・。



○『この世界の片隅に』鑑賞
とまあ前置きが長いですが、『この世界の片隅に』はまえからのんこと能年ちゃんの復帰作品ということで一応興味はあったんです。とりたてて能年ちゃんのファンではないんですが、やっぱりあれだけの才能のある女優さんですので、どれどれと半分ミーハーな気分で予告編すらろくに観ずに、もちろん原作も読まず(こうの史大さんは初めて知りました)本当に久々に予備知識ゼロでふらっと映画館へ行ってきました。



まず言ってしまいましょう!すさまじい!


今年は言うまでもなく『君の名は。』『聲の形』など素晴らしいアニメ映画がまさかの同年公開され、まるで日本アニメ映画の集大成というか新たな歴史の始まりみたいな年ですが(大げさかな?)、もう2016年も終わろうかという時にまさかのこの2強に割って入るような作品に出会おうとは!!!


はっきりいって結構シリアスさも備えており、また派手な見せ場があるエンタメというよりはどちらかというと淡々とかつ丁寧に物語を紡いでいくタイプの作品ですので、あうあわないは当然あるとは思います。場合によっては「眠くなった」という感想が出ても別に不思議ではないと思います。

でもでも!やっぱりこの作品はだまされたと思って老若男女みんなに見てほしいな。そして絶賛から酷評まで、とにかく観た人がどんな風に思ったのか、本当に十人十色の感想を聞いてみたい。そのうえでまた僕が感じたことをかみ砕きたい。そしてそれをまた誰かと話したい。そんな衝動、情熱に駆り立てられる素晴らしく熱量がこもった力作です。


○予告編以上のネタバレなしで感想言います。

さて、観終わってから初めて予告編を観ました(笑)。





いやあもうね、鑑賞後だとこの予告編ですら思い出し号泣ですよ。ほんとに。


本作は第二次世界大戦中(広島への原爆投下及び終戦)の「すずさん」の日常(半生?)を描いた作品です。特に物語途中、すずさんが成人してからは舞台を呉に移しますが、その呉とは戦争後期には度重なる空襲にさらされる場所でもあるわけです。そしてすずさんの故郷は広島市。つまり、あの新型爆弾が投下された街。

なんだかこうしてみると「戦争の悲惨さ」だったり「辛すぎる日常を何とか懸命に生きねば」的ないわゆる「戦争映画」のような特異な非日常を描いた、はっきりいって鬱映画でありとっつきにくいジャンルのようにも思えます。


確かにこの映画は戦争の恐怖、悲惨さ、そして目を覆いたくなるようなあまりにも(精神的に)辛いシーンも用意されてはいます。しかししかし、この映画、単なる「戦争は悲惨!」にとどまらない、むしろそうしたメッセージ性や説教臭さをある種意図的に排除した、本当に「日常」「市民」を描き切った作品となっています。そこがいいんだよー!

パンフレットで監督やのんも言ってますが「戦争」が「日常」に侵食していく過程を描くのであって「戦争」だけを描く映画ではないのです。まず先に「日常」があり、それを丁寧すぎるほど丁寧に見つめている。僕たちはすずさん(今更ながらのん演じる主人公です)を隣の家から覗かせてもらっているような感じで彼女たちの日常を見つめているわけです。ここに「戦争」が先に来る戦争映画とは大きな違いがあり(もちろん「戦争」も辛くなるほどきちんと描いています)、ありそうでなかった斬新な映画だと思うのです。


ここからは特にこんなところが良かったよ!ぜひ興味ない人にも勧めたい!ポイントを羅列していきます。


○「すずさん」≒のん(能年ちゃん)のシンクロ具合がすごい!

はっきりいって、能年ちゃんが改名して、その復帰作がアニメ声優というのは事前の期待値としては相当低かったです。いくらなんでも棒読み演技で目も当てられない状況になるんじゃないかと。


だがしかし!ですよ。僕は能年ちゃんのこれまでのキャリアを「あまちゃん」「ホットロード」くらいしか知らないのであんまり言えないですけど、今作のすずさんはのんのベストはまり役であり、ベストアクトだったといっても大げさではないんじゃなかろうか!?


今作のすずさんは、どこかのんびりしてて、ぼーっとしていて、成人してからもなんだか垢抜けなくていつまでもぼんやり少女みたいな癒し系女子なわけです。それでいて、実はいろいろ気づかいもしていたり、ちょっと怒られるくらいや難しいことくらいなら「弱ったね~ふはあ」とかいってマイペースに対応できちゃうような強メンタルの持ち主でもあります(笑)。

このぼーっとのほほんとしていて頼りないなーって部分、恋愛にはなんだか疎そうな垢抜けないなーって部分、でも芯はしっかりあって時には爆発させるほどの情熱も秘めている。そんな様々な側面・内面を併せ持つ彼女をのんは本当に見事に憑依して演じ切っておりました。


原作者のこうの史大さんもパンフレットで言ってますが、のんの持つ「素直さ」ってすごい役柄にプラス効果をもたらしていると思うし(まだ原作未読ですが)、広島弁の使い方、そしてセリフにならないような「ほえー」とか「むー」とかそうした間を取るようなセリフも絶妙なトーンなんですよ。


パンフレットやネット記事を見るとのんは演じるにあたって原作を読み込んだり、監督さんの過去作品を観たりしてかなり研究したようです。おまけに収録時には「監督さん、このときのすずさんの気持ちってどんなだろう」って質問やディスカッションを何度も行いブラッシュアップしたとのこと。

監督さんによれば、のんの気づきや疑問で新たにシーンの編集を加えたこともあったみたいで、本当に今作はのんでなければありえなかったんじゃないかと思えるくらい、彼女の演技に心を打たれました。


あまり芸能ニュースには明るくないので良く事情はわからんのですが、やっぱりこれだけ人を惹きつける何か=才能を持っている彼女を、それこそこの世界の片隅に干しておくなんであまりにももったいないと思う。日本映画界の損失だよ。


○「日常」を描いているからこその「笑い」「和み」

すずさん≒のんのシンクロ率とも関係あるのですが、今作はシリアスな題材ではあるものの、実は笑えるシーンが多々あるのです。僕が見た回でも劇場で何度も爆笑が起きてましたし、僕自身もいろんなシーンでクスリからワハハまで本当に楽しみました。

すずさんはおっちょこちょいなところもあるので、彼女が起こす騒動に周りの人が巻き込まれたり、当の本人がいつも通りだったり「間」の使い方とか「ギャップ」がまたおかしくておかしくて。物語はどんどん「終戦」というより「8月6日」に進んでいくから、史実を知っている僕たちはだんだん緊張感が高まっていくんですよ。だけど、すずさんたちの日常を観ると本当に気持ちが温かくなるし、言葉やあからさまシーンで語られる(描かれる)シーンは全然ないのに「いまこの日常」がどれだけありがたいことか。


この「笑い」「和み」は具体例を出した方がよりわかりやすいんだけれども、個人的にはどれも知らずに見てほしいし、多分爆笑ポイントは人によっても様々だと思うので、ぜひ「シリアス一辺倒」な戦争映画じゃないんだよ、っていうのを知ってほしいんです。もし「戦争映画」というだけでこの映画に行くのに二の足を踏んでらっしゃる方がいるなら、もったいない!って背中を押してあげたいです。


○「笑い」と「悲惨」のバランス、緩急=物語にしっかり感動できる

ここまですずさん≒のんのシンクロ具合、彼女の和やかなキャラクター、そしてそれを中心とした温かな笑いや和みといった「シリアスばかりじゃない」戦争映画だよって力説してきました。しかし、描く時代が時代だから、やっぱりそんな日常ゆるかわアニメでは終わってくれません。


時代が進むにつれて日本は敗戦間近になり、明らかに攻め込まれていきます。空襲は来る、知らせ(内容は劇場で)も来る、そしてあまりにも辛すぎる出来事が起きる。その辛すぎる出来事から生じる亀裂・波紋・余波は本当に見ていて辛くて悲しかったです。すずさんの「日常」に「戦争」=「非日常」がどんどんどん侵食していく。この過程は正直和み要素はちょくちょく健在しつつも、やっぱりずしりと心に突き刺さるものがありました。


でもこの映画のいいところは、そうした「悲惨」一辺倒で後味悪く終息へ向かうんじゃなしに、それでも続いていく「日常」をやっぱり丁寧に丁寧に描いているところなんです。そして監督さんも憎いなあって思うのが、さっき言ったすずさん≒のんのシンクロがここでも効果発揮しまくりなわけなんですよほんとに。


もうのんのばっちりな演技(彼女自身のキャラクターやこれまでのキャリアもあいまって)に観客は視線が一緒になり、感情移入しまくりなわけなんですよ。だからこそ、「非日常」に侵された「日常」、そしてまた「日常」が少しずつ湧いてくる、すずさんと一緒に僕たちは立ち上がり「この世界の片隅に」自分の存在価値を見出すカタルシスがあるんです。

こんな書き方するとなんだか僕も大好きな今年の某アニメ映画みたいな派手な何かが起きるようですが、実際の語り口・出来事は淡々としています。悪い言い方をすればずっと地味。でも確かなカタルシスを最後には得られ、そして皆すずさん≒自分たちが「この世界の片隅に」居てもいいんだってことに大きな大きな感動があるという素敵な物語なんです。


○これは絶対映画館で観たほうがいいよ!

独特な作画である本作ですが、絶対に映画館で観たほうがいいです。というのも、色遣いのすばらしさ、そして何より「音響」がこれまたいいんです。


「日常」を際立たせるペンを走らせる音や水の音、汽車の音、「悲惨」を実感させる爆撃機の音、焼夷弾の音。これらは劇場の大音響で聴いた方がより感情移入というか物語に入り込めるし、ある意味これら音たちがセリフにもなっているんです。


またすずさんの特技というか趣味が絵描きなんですが、その特性を生かした風景シーン(綺麗な海から爆弾まで)なんかも見ごたえがあって、大スクリーンならではの情報量も多いです。



ああもう他にも小野大輔演じる水原さんとすずさんの関係性が絶妙!とか妹ちゃんが大天使!とかあの座敷童のエピソード泣ける!とか掘り下げたいところ山ほどあるんですけど整理できてない!


今作ははっきり言ってただの「感動」映画ではないと思います。観た後はかなりの疲労感に襲われ、メンタル的にも鬱映画とは違うダメージが必ず残るといっても過言ではないです(でも決して鬱映画ではないよ)。



でもそれでも、やっぱりいろんな人に見てほしい。そして絶賛でも酷評でもとにかく何かを発信してほしい。


とにかく僕の今年ベスト級のみならず、オールタイムでも上位に来るような、衝撃的な一本にまた出会ってしまいました。
『この世界の片隅に』、おすすめです!
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